木材の種類と使い方
新築工事やリフォームの際に、知っておきたいのが、建築に使用される木材の種類とその特徴です。
最近では、ナチュラル素材が人気を集めているため、木材に関心がある方も多いのではないでしょうか?
こちらでは、そんな木材の種類や特徴をご紹介いたします。
木材の種類
ヒノキ
住宅の土台や通し柱などの構造材に最適。
その理由は、水に強く狂いが少ないからです。
比較的高価な木材の一つで、一般家屋から、質の良いものであれば神社仏閣にも使用されます。
高い防虫効果と、伐採後も強度が増していくことから、古くから人気の木材です。
その耐久性は100年も持つと言われています。
ヒバ
ヒノキと同じく、住宅の土台や通し柱などの構造材に最適。
湿気や水に強く、比較的安価でありながら菌に対する耐性が強い点が特徴。
菌に強いという特性から、料理店で愛用される高級まな板の素材としても知られています。
スギ
鴨居や廻り子などの造作で好んで使用される木材。
一部のブランド杉を除き、基本的には安価な素材です。
比較的狂いは少ないものの、柔らかさもあるため、構造材よりは造作一般に使用されることの方が多いです。
独特の香りがあるため、建物に使用してその芳香を楽しむことができます。
クリ
耐久性・耐水性・虫の害にも強い木材として知られ、土台によく使用されます。
硬質ではあるものの、割れやすいという特性があるため、加工する段階の“乾燥”に技術が必要です。
価格は並みといったところで、漆などの塗装を施すと美しい木目が出てくるため、家具に多く使用されます。
ケヤキ
大黒柱や柱といった構造材として用いられることの多い木材。
また、造作材としても好まれます。
木目のダイナミックな美しさ、強靭性、耐久性が特徴で、高価な木材です。
硬質であり、狂いが生じる事から、高い加工技術が必要となります。
和家具から和箪笥、太鼓の胴など、日本ならではの使い方をされてきました。
サクラ
やや安価な木材ではありますが、反りや狂いが少ないのと同時に、粘りのある強度から扱いやすい木材。
虫害にも強く、人気のある木材と言えます。
手入れをきちんと行えば、どんどんツヤが出てくるのも魅力の一つです。
ブナ
床板等の建築材に用いられることの多い木材。
硬くて粘りがあるため、曲げに強く、比較的安価です。
施削性や接着性がよいため、タイル状にしたものを組み合わせてフローリングに使用されることもあります。
ウォルナット
きめ細かく、丁寧に磨けば特に塗装を施さなくとも美しい艶が出る事から、高級材として知られています。
硬く、乾燥に手間がかかることからも、高級材であることは頷けます。
ドアや造作材、フローリング材としても使用されますが、価格が高いためか、内装材として使用される際は、化粧板に加工された素材が選択されることも多くあります。
ファルカタ
柔らかい材質である上、きめが単方向でないため避けにくいという特徴から、扱いやすいことで知られています。 ホームセンターで入手できる木材の一つで、DIYにも向いている木材です。
キリ(桐)と似ている性質から、その代用品として用いられることがよくあります。
アカマツ
松の中でも色合いが赤みがかっていることから、アカマツと呼ばれています。
松脂(マツヤニ)を多く含み、水分に強いことが特徴で、その性質から梁や敷居の摩擦部にも使用されることが多くあります。
やや安価で、木目の鮮明さから、造作材としてもよく使用される木材です。
木材に関する用語
集成材
1本丸ごとで使用しづらい間伐材などを貼り合わせたりなどして、加工した木材のこと。
木材の種類によっては、立派な1本ものを探し出せない、もしくは高価であるようなケースに、この集成材が使用されます。
近年この集成材の技術は向上しておりますので、「集成材だから」と言って耐久性などを懸念することはありません。
平成26年にはJIS規格で言うところの集成材に、“直交集成板”が認められました。
CLTと呼ばれ、貼り合わせる層ごとに繊維方向が直交であることから寸法の安定性があり、高い耐震性があります。
無垢材
1本の木から採取できる、つなぎ目のないものを無垢材と言います。 柱や梁にはこの無垢材を使用することを希望する方が多く、接着剤といった人工物からくるシックハウス症候群を避けるため、多少価格が高くてもオール無垢材を希望する方が増えてきました。
死に節(しにぶし)
板張りの一部が楕円形で抜けている部分を見たことはありませんか?それが死に節です。
木の成長過程で枯れた枝が発生すると、幹についていた部分が死に節に繋がります。
木が自然の素材である以上、この死に節を完全に排除することはできません。
同じ節でも、“生き節”と呼ばれるものがあり、これは抜けることもなく光沢があることから、味わい深いものとして重宝されています。